日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年10月22日相手と気持ちがつながる効果抜群の話し方とは?


ボイストレーニングコースでの講師の解説


日本話し方センターではビジネスボイストレーニングコースを年に5~6回開催しています。このコースでは単に声の出し方をトレーニングするだけではなく、相手に伝わる発声の仕方、話し方が学べます。毎回2回目に参加者に自己紹介をしてもらい、話し方や声の出し方をチェックしています。
参加者は、職場での転勤後の朝礼、異業種交流会などそれぞれに場面を設定して自己紹介を行い、その後講師から講評します。
「Aさんの自己紹介は声のトーンが高めだったので、親しみを感じました」
「Eさんはしっかりとした人だな、という印象でした。これは話しのテンポがよくリズム感があったからです」


ボイストレーニングですから声の出し方に関する講評が中心ですが、それ以外の点についても講師から解説があります。
「自己紹介には自分を知ってもらうこと以外に、その場の人と人間関係をつくる、という目的があります。そのためには、前の人が話したことを引用して話すといいですよ」
例えば、「先ほどのKさんと同じく私も出身は岩手県です」「Iさんの趣味はギターとのことでしたが、私はピアノが趣味です」という具合です。つまり、人の話と自分の話を「つなぐ」ということです。




★話と話をつなぐ


上の自己紹介の例のように、話をする上で話と話を「つなぐ」ことはとても有効です。これは日常会話、会議での発言、スピーチなどあらゆる場面で使えます。
会議の場を例にとって考えてみましょう。会議では、その場で決めたことや共有したことに参加者が共感、納得することがとても重要です。そのために話を「つなぐ」ことでお互いを肯定し合ったり、認め合ったりすることは非常に有効なのです。


「先ほどの『このイベントは社員の絆作りのために行う』というBさんの話に『なるほど』と思いました。この目的をしっかりと頭に入れて議論すべきですね」
「さっきMさんが『これは今必要なことかなぁ』とぼそっと言ったけど、確かに我々は他に優先すべきことがないか、ということを考えていなかったように思います」
「Pさんの『そんなことをする時間なんかないよ』という発言は多くの社員の気持ちを代弁しています。そうした人たちに理解してもらえる説明の仕方を考えねばなりませんね」
会議の参加者の発言に対して賛成、反対を言うのではなく、その言葉に感じたことや気付いたことなどを話します。そうすると、先に発言した人と自分の気持ちがつながって、共感性が高まります。



★相手を否定しない


当然、発言に対して否定的なことを言っては共感は生まれませんので、そうした発言は控えるべきです。ちょっと違うな、と思う場合は、共感できる部分をまず言ってから問題提起をする、という形で発言するとよいでしょう。例えば、「今回の社内イベントの目的が社員の絆作りというのはいいと思うけど、いきなりは無理だよなぁ。主催者だけが盛り上がって社員はシラケているイベントじゃ意味ないな」と思った場合、この気持ちや意見を少し冷静に整理して発言するとよいでしょう。「今回の社内イベントの目的が社員の絆作りというのはすごくいいと思います。ただ、イベントですぐに絆を作るのは難しいので、まずはその雰囲気作りを目的にしてはどうでしょうか」
こうした「つなぎ」なら、先に発言した人も自分の発言を受け止めた上で更に掘り下げてくれた、と感じて共感が生まれるでしょう。


話を「つなぐ」のは、発言を引用することでお互いの気持ちを「つなぐ」効果があります。従って、「つなぐ」ためにはお互いの話を共感的に聞くことが必要です。ぜひ意識してみてください。



★話し方を勉強しませんか?


効果的な話をする上で話し方全体を体系的に学ぶことはとても重要です。日本話し方センターのベーシックコースでは、今回お話した話をつなぐを初めとして様々な話し方に関する知識を体系的にお伝えし、それらに沿ったトレーニングを行っています。どのような雰囲気かご理解いただくために事前に無料でご見学いただけます。ぜひ無料体験教室にご参加ください!

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